「調教用ゼッケンのリサイクルデザイン共同開発」について | Morishita Laboratory |服飾デザイン研究室 [滋賀県立大学]
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2017-06-15

「調教用ゼッケンのリサイクルデザイン共同開発」について

【スティードとの出会い】
研究室では2014年、2015年の2年間にわたり、障害福祉サービス事業所である、滋賀県聴覚障害者福祉法人「びわこみみの里」と共同研究を行ってきました。
この「びわこみみの里」では、犬のトリミングサロン、ドッグカフェや焼き菓子工房の営業などが行われているほか、JRA栗東トレーニングセンターの使用済みの調教用馬のゼッケンを基にしたブランド「スティード」として鞄を作っています。新たな製品開発をめざして、みみの里との共同開発を行いました。

【プロジェクトの目的】
繊維のリサイクルは、現実的には消費の在りかたやシステムの課題として取り組む必要がありますので、その意味では馬のゼッケンを用いた製品は、限定的な素材と言えます。一方で、ゼッケンは誰にでも分かりやすい素材であることから、リサイクルの発信に優れた意味が生まれると考えました。そこで、馬のゼッケンをもとに、デザイン性を重視したリサイクル製品について取り組むことを目標としました。

【作品の背景】
滋賀県立大学のキャンパスは、徒歩で数分の距離に琵琶湖があり、学生たちは日々、豊かな自然の中で学生生活を送っています。こうした環境のもとで、アイデアをめぐらし、今年度は戸外で楽しんで使える用品として、サイクリングの際に自転車に取りつけてられる鞄、椅子カバー、自然の中で読書や昼寝ができる組み立て式テントなどを提案することにしました。これらを見た人が「何?これ」と興味を示していただければねらい通りです。
まずデザインは、ゼッケンが持つ特徴、例えばスピード感や、すべて異なる数字によるレイアウトの面白さ、などをふまえて、年齢や性別に関わりなく使用できる内容を検討しました。作成にあたってはゼッケンの非対称の曲線的な形状が最終的にも残されるように、できる限り少ない裁断で作成していました。
いずれも商品化を考えて手がかかりすぎないような裁断と縫製にしています。このリサイクルによるデザインが、多くの人に伝わり、楽しんでいただければと思います。

steed 金子唯のサムネイル

金子唯

steed 杉本満理奈のサムネイル

杉本満理奈

徐科steedのサムネイル

徐科