森下あおい Aoi Morishita
服飾デザインを専門とし、衣生活に関する諸課題を調査し、美しく快適な生活をもたらすための服飾デザインの計画、設計行為、またその方法論についての研究活動を行っています。
研究課題(研究概要)
1)日本人女性の体形と服飾デザインの関係について
着衣形態やシルエットを美しく見せたいという女性の体形に関心を持ち、服飾と体形との相互関係についての研究を行っている。 現在は絵画や写真資料を基に、江戸から明治時代の女性の着物の着衣形態と体形の分析している。さらに対象を現代へと繋げることにより、日本人女性の体形変化と服飾デザインの構成要素を見出し、着衣形態に表される人の感性を定量的に扱う手法の確立を目指している。
2)近代における既製服の成立と芸術活動の関係について
近代において既製服産業が成立する過程には、社会の変革と関わり合って、服飾デザインに極めて深い影響を与えた種々の芸術活動がある。特にロシア・アヴァンギャルドの活動を中心に、今日に繋がる服飾デザインの造形概念を調査している。
3)ワールドコレクションにおける現代ファッションのデザイン動向について
4)地域の素材を用いた衣服デザインの検証と開発
研究業績等(概要)
1)主な作品
タウンウエア/KDKモードショウ(京都服飾デザイナー協会、京都府、京都市主催、1989~1998)、ファッションカンタータ from KYOTO(ファッションカンタータ開催委員会主催、1993、1996~98)、NDCコレクション(日本デザイナークラブ主催、1995~1996)、コスチューム/ 「COSTUME」、(個展、ギャラリープレビュー、京都、1995)、「ENSEMBLE」(個展、法然院、京都、 2000)、「LINE」(個展、ギャラリーマロニエ、京都、2001)、「再構成」日本服飾学会(1998~2001)、意匠学会(1999~2000)、「重なりの構成」服飾文化学会(2001~2010)、再制作/「ロシア・アヴァンギャルドの衣服」(岐阜県現代陶芸美術館、2003)、「Production Clothing」(Victoria & Albert Museum、London、MARTa Herford Museum、Germany,The Corcoran Gallery of Art,WashingtonD.C.)『Modernism designing a new world』、2006~2007)
2)主な論文
「3次元人体形状のモデリングと体形特徴の抽出」(人間工学会関西支部大会論文集1999)
「人体形状モデルと遺伝アルゴリズムを組み合わせた身体サイズ値の推定法の抽出」(人間工学会関西支部大会論文集2001)
「浮世絵と写真に基づく幕末から明治に至る女性の形態の定量的考察」(公開シンポジウム『人文科学とデータベース』 2005)
「FEMALE BODY DEPICTED IN UKIYO-E IN THE EDO PERIOD」(日本デザイン学会 『デザイン学研究』Vol.53、2006)
「浮世絵に描かれた小袖着衣形態の定量的考察」(芸術工学会『芸術工学会誌』Vol.40、2006)
「浮世絵に描かれた女性の人体形態の定量的考察」(芸術工学会『芸術工学会誌』Vol.41、2006)
「パリ・ミラノコレクションの傾向」(日本繊維製品消費科学会『繊維製品消費科学』1997~1998、2003~2008)
「Quantification of Female Body Shape in the Meiji Eera Using Photographs and Comparisons with Other Eras」(芸術工学会『芸術工学会誌』No.54 Nov12. pp. 13-120,2010)
「服飾デザイン画における頭身数とプロポーションの関係」(日本デザイン学会 『デザイン学研究』vol.61.No.6.pp53-58,2015)
「服飾デザイン画における衣服形状のデフォルマシオンの定量的分析」( 日本デザイン学会『デザイン学研究』Vol.62.No.6.pp21-26,2016)
「服飾デザイン画から人体と衣服のデフォルマシオンを取り除く一手法」(日本デザイン学会『デザイン学研究』Vol.61.No.6.pp79-84,2016)
3)主な受賞
(社) KDA京都デザインコンペ入選 (1985)、KDKファッショングランプリコンテスト京都新聞社賞(1987)、NDKデザインコンテスト京都市長賞、文部大臣奨励賞(1988)、倉敷市ファッションクエイク‘95デザインコンテスト優秀賞(1995)、日本産業デザイン振興会グッドデザイン審査委員長特別賞(2003)